お知らせ

東日本大震災=日赤福井県支部これまでのドキュメント=
 平成23年3月11日午後2時46分ごろ、三陸沖を震源とする国内観測史上最大のマグニチュード(M)9・0を記録した東北太平洋沖地震。その後に東北地方太平洋側を襲った津波…。この未曾有の災害となった東日本大震災に対し、日本赤十字社福井県支部の動きは次のとおり。

3/11
14:46〜
 支部職員全員が情報収集。
15:11
 厚生労働省医政局DMAT事務局(DMAT事務局)から待機要請を受け、DMAT隊員でもある医師2名・看護師長1名・看護師2名・ロジスティック2名と、支部救護担当職員1名の計8名が出動準備。
16:20
 日本赤十字社第3ブロック(福井県・愛知県・岐阜県・三重県・静岡県・長野県・富山県・石川県の各支部)の代表支部である日本赤十字社愛知県支部より、準備でき次第、日本赤十字社宮城県支部への出動要請。これを受け、日赤DMATを日赤救護班(日D救)に切り替えて出動準備にあたる。
16:45
 DMAT事務局より全国のDMATに派遣要請があったものの、福井県当局と協議し、福井県当局からの要請待ちとして待機。
17:35
 日D救、日赤救護班として出発。
18:00
 福井県当局より、日赤福井DMATの出動要請。このため、現地に向かっている日D救の8人を4人ずつの二つ班に分けて、日赤救護班として日赤宮城県支部へ(日D救1)、日赤DMATとして仙台医療センターへ(日D救2)、向かうよう指示する。
19:00
 応援救護班として、日赤救護班要員を追加準備。
20:15
 追加要員として医師1名・看護師長1名・看護師2名・主事2名・支部職員の計7名が、日赤救護班として日赤宮城県支部へ出発。同支部到着後、同支部にいる先発隊の日D救1の4人と交代し救護活動を行う予定。先発隊の日D救1は仙台医療センターの日D救2と合流し、日赤福井DMATとて活動していく。     
22:20
 交代要員として日赤救護班第2班の出動態勢を整える。

3/12
0:04
 (日本赤十字社本社より日赤愛知県支部を通じて)日赤宮城県支部に向かっている救護班を盛岡赤十字病院へ向かってほしい旨、要請有り。これを受け、応援救護班として向かった救護班は日赤福井県支部救護班第1班として、岩手県・盛岡赤十字病院に向かう。日赤福井DMATは仙台医療センターに向かう。
0:29
 福井県赤十字救護奉仕団は、救援物資搬送準備態勢を整える。
5:13
 日赤福井DMAT、仙台医療センター到着。午前7時のミーティングまで動向調整。
6:20
 日赤福井県支部救護班第1班、仙台市到着。医療セット・要員再編成し盛岡赤十字病院へ向かう。

◎日赤福井DMAT
班長(医師)  田邉  毅(福井赤十字病院麻酔科部長兼救急部長兼集中治療室長)
医 師     白塚 秀之(福井赤十字病院麻酔科部副部長)
看護師     大元 麻里(福井赤十字病院看護師)
看護師     青山 絹代(福井赤十字病院看護師)
看護師     高畑 奈津江(福井赤十字病院看護師)
ロジスティック 山田 智也(日本赤十字社福井県支部総務課主任)
ロジスティック 木戸 俊介(福井赤十字病院医療社会事業課主事)
連絡調整員   高久 秀二(日本赤十字社福井県支部事業推進課長)

◎日赤福井県支部救護班第1班
班長(医師)  黒川 哲之(福井赤十字病院腎臓・泌尿器科部医師)
看護師長    内田 智美(福井赤十字病院看護師長)
看護師長    井上 恭久子(福井赤十字病院看護師長)
看護師     井上 めぐみ(福井赤十字病院助産師)
主 事     鈴木 敏弘(福井赤十字病院人事課主事)
主 事     坪田 泰典(福井赤十字病院管財課主事)
連絡調整員   藤井 友幸(日本赤十字社福井県支部事業推進係長)

7:00
 日赤福井DMAT、仙台医療センターにてDMATスタッフミーティング。域内搬送の拠点として各方面から搬送されてくる負傷者を、トリアージする役割としての準備にあたる。トリアージで重症者(=トリアージタグ赤色)と振り分けの負傷者を、域外(広域)搬送させるよう指示を送る準備も併せて行う予定。
9:00
 義援金の口座を開設。福井銀行、福邦銀行のご好意で、両行の本・支店間での振込手数料の免除措置を賜る。        
11:15
 日赤福井県支部第1救護班、盛岡赤十字病院に到着。県災害対策本部のある近くの消防学校に向かう。
12:00
 消防学校にはSCU(Staging Care Unit=ステージングケアユニット…広域搬送を行うにあたり、搬送拠点基地に隣接して設置される医療施設)が設置されたため、この中で日赤福井県支部第1救護班は救護活動を開始。(医療資器材等の不足のある場合は盛岡赤十字病院で補充)
14:05
 SCUでの活動に加わった日赤福井県支部第1救護班は、SCUの負傷者受入数が朝から6人であったため、活動をDMATに委ね、各避難所の巡回診療に動く。盛岡市内のふれあいランド岩手で6名、水質管理センターで5名、新庄浄水場で15名に対し、問診や血圧測定、こころのケアなどにあたったあと、市内の小学校などを回る。
16:50
 盛岡赤十字病院より日赤福井県支部第1救護班に、陸前高田市の第一中学校で多くの避難者がいるため、救護要請があったことから、同中学校に向かう。
17:00
 仙台医療センターの現地DMAT本部より日赤福井DMATに対し、市内の小松島小学校で800人〜1500人の避難者がいるため、救護要請があったことから、同小学校に向かう。
18:00
 日赤福井DMAT、石川県立中央病院DMATとともに小松島小学校で救護所を開設。約1000人の避難者。翌13日午後4時に次班と引き継いで帰還の予定。(同小学校は電気・水は使えない。救護所はヘルメットのヘッドライトや携帯用蛍光灯などで対応。同小学校には、仮設トイレは設置されている)なお、石川県立中央病院DMATは13日午前6時に同救護所から離れる。日赤福井DMATのみで対応。
◎3月13日  6時現在
取扱患者数 7人
主な症状  腰椎打撲1人、不眠症2人、認知症1人、不眠症・頚椎症1人、関節痛・高血圧症1人、風邪1人
◎3月13日 10時現在
取扱患者数 22人
主な症状  腰椎打撲、不眠症、認知症、不眠症・頚椎症、熱傷、関節痛、高血圧症、風邪、
※救護所に訪れる患者数が少ないのは、夜間、避難者は毛布に包まって暖をとっているため動くことを避けている。スタッフが直接回るにしてもギュウギュウ詰めでもあり眠っている人もおり、明るくなったら周る予定。
※後発隊は、福島原発爆発により放射性物質が外部に漏れたことから、宮城・岩手へは福島県を通るため、現場医師よりフィルムバッジを蛍光したほうが良いとのこと。

19:45
 日赤福井県支部第1救護班、陸前高田市の第一中学校に到着。日赤秋田県支部救護班と引継ぎを行い、同中学校に1200人いる避難者の救護を開始する。翌13日午前11時に日赤岐阜県支部救護班と引き継いで帰還予定。同中学校には高血圧、心疾患系の避難者が多く、糖尿病を患う避難者も何人かいる模様。(同中学校避難所は電気が使えず、救護所は発電機で対応。トイレなど水は使用可能)
※日赤福井県支部第2救護班は第一中学校で、3月15日午前11時頃に日赤岐阜県支部救護班と引継ぎを行い、3月17日正午頃までの予定で救護活動を行うこととなり現在、その出動準備をしている。
◎3月13日 6時現在
取扱患者数 57人(うち1人はコンパートメント症候群のため広域搬送)
主な症状  高血圧・不眠症・不安症・頭痛・便秘。57人のうち1人はコンパートメント症候群のため広域搬送

3/13
7:00
 3月15日からの活動を予定していた日赤福井県支部第2救護班に、現場等から一日早い出動を要望されたため調整にあたる。
9:20
 陸前高田市の第一中学校で活動を続けてきた日赤福井県支部救護班第1班は、日赤岐阜県支部救護班(2コ班)と引継ぎを行い、活動を終了。取扱者数は計94人。同地を離れ帰還に向かう。(13日午後10時半ごろ福井赤十字病院に到着の予定)
10:40
 新たに薬剤師を追加要員とした日赤福井県支部救護班第2班の出動要員が決まる。本日13日の17時に福井赤十字病院を出発、14日午前11時頃に日赤岐阜県支部救護班と引継ぎを行い、16日正午頃までの予定で救護活動を行う。
11:00
 日赤の名を使った間違ったメールが出回っており、県民より問い合わせが殺到。当支部・赤十字ではこのようなメールを送っていないため、各報道機関等に協力を求めた。(県民からの問い合わせは午前11時から30件)
14:10
 第3ブロック調整支部より、陸前高田市第一中学校での継続救護のため、救護班の追加を受け、出動可能を調整。
15:15
 日赤福井県支部救護班第3班の出動可能。17日夜出発、陸前高田市の第一中学校に向かい、18日午前11時ごろに日赤岐阜県支部救護班(高山赤十字病院)と引継ぐ。19日正午ごろに日赤岐阜県支部救護班(岐阜赤十字病院)と引継ぎ帰還の予定。
17:10
 日赤福井県支部救護班第2班、福井赤十字病院にて支部事務局長・病院長ら見守る中、出発式を終え、陸前高田市の第一中学校に向け同病院を出発。地の救護班報告や報告状況に鑑み、新たに薬剤師を加えた要員となった。
◎日赤福井県支部救護班第2班
班長(医師) 池田 篤志(福井赤十字病院外科部医師)
看護師長   井上 和子(福井赤十字病院看護師長)
看護師    川端 和代(福井赤十字病院看護係長)
看護師    高山 千春(福井赤十字病院助産師)
主 事    宮下 隆男(福井赤十字病院医事サービス課入院支援係長)
主 事    長谷川 公二(福井赤十字病院管財課主事)
薬剤師    青柳 哲治(福井赤十字病院薬剤部製剤係長)

17:30
 仙台市青葉区の小松島小学校で救護活動中の日赤福井DMATは、仙台医
療センターの現地DMAT本部から、小松島小学校での救護要請を受け活動してきたが、DMATは災害急性期(発災から概ね48時間以内)の活動であることから撤収許可があったこと、併せて同本部も指揮を降りたことから、その後の活動・指揮を日本赤十字社が行うこととなった。このため、移動中の日赤埼玉県支部救護班と引継ぐこととなり、同救護班の到着するまで救護活動を続けることとなった。
23:15
 日赤福井県支部救護班第1班が現地の救護活動を終え帰還。福井赤十字病院に無事到着。

3/14
0:20
 小松島小学校で救護活動中の日赤福井DMATは、日赤埼玉県支部救護班と引継ぎ、帰還に向かう。
◎小松島小学校の救護活動状況
取扱患者数 42人
主な症状  腰椎打撲、不眠症、認知症、頚椎症、熱傷、関節痛、打撲、腰痛、冷えからの痛み、椎間板ヘルニア、高血圧症、擦過傷、発疹、頭痛、高熱、膝挫傷、その他風邪と脱水症状が数人、点滴5人、脳梗塞の疑いで1人・骨折の疑いで1名を後方搬送

9:00
 福井銀行より、窓口での受付のみとしていた義援金の振込手数料無料を明日から、ATMからもインターネットからも無料として受入れたいとの申し出があったことから、広報に取り掛かる。その他、本日より北陸銀行、福井信用金庫からも本・支店間の振込手数料免除(窓口のみ)のご厚意を賜ることとなった。
10:50
 昨日夕17時10分に現地に向かった日赤福井県支部救護班第2班が、救護活動の場所・岩手県陸前高田市第一中学校に到着。日赤岐阜県支部救護班と引継ぎを行い、救護活動を開始する。
11:20
 第3ブロック調整支部より、陸前高田市第一中学校での継続救護のため、救護班の追加を受け、出動可能を調整。
12:00
 発災日の11日から現地に向かって活動を続けてきた日赤福井DMATは、正午に帰還。無事、福井赤十字病院に到着した。

※磐越及び東北自動車道路で、SAガソリンスタンドの燃料入れは可能であるが、燃料数の制限のある箇所(磐梯山SA…10ℓ制限、国見SA…40ℓ制限)もある。(当支部救護活動中の情報より)

14:00
 18日〜20日まで日赤福井県支部救護班第3班として陸前高田市第一中学校に派遣される要員が決まる。   
14:05
 22日〜24日まで日赤福井県支部救護班第4班、26日〜28日まで日赤福井県支部救護班第5班の出動が決まる。
20:00
 日赤福井県支部救護班第2班、初日第1回目の活動を終了。夜中0時まで休憩。この間は日赤秋田県支部救護班が受け持ち、0時から4時までの予定で再び救護を開始する。(19時30現在は下記)
取扱者数  62人
主な症状  高血圧22人、心疾患3人、糖尿病5人、外傷4人、喘息3人、風邪3人、不眠症7人、脳梗塞患者4人、便秘4人、その他小児ほっせき・めまい
後方搬送  パーキンソン病有りで39.6の高熱が4日間続く人、脱水症の人の計2人

[1]救護班の後方支援して、福井県赤十字救護奉仕団が支部職員とともに15日に出発し、16日帰還する。
[2]義援金受付
「東北関東大震災義援金の取り扱いについて」
1.福井銀行 木田支店 普通預金 1144543
2.福邦銀行 本店営業部 普通預金 5484634
3.福井信用金庫 木田支店 普通預金 4111407
4. 北陸銀行 福井支店 普通預金 1042021
※1〜4口座名はすべて「日本赤十字社福井県支部 支部長 西川 一誠」
5.県内JA信連でも受け付けます。
※口座名:福井県信連 本所 普通貯金 0231813
名 義:日本赤十字社福井県支部 支部長 西川 一誠
6.郵便局  ゆうちょ銀行 00140−8−507
※加入者名 「日本赤十字社 東北関東大震災義援金」

◎受付期間は平成23年3月14日〜平成23年9月30日まで。
◎窓口での振込みは手数料無料ですが、ATMからの振込みは手数料かかります。但し、福井銀行はATMからの振込み、インターネットからの振込みも手数料は無料。
◎銀行振込み控え(半券)」を領収書とさせていただきますが、正式領収書が必要であれば支部へご連絡ください。

3/15
0:00
 第2班、日赤秋田県支部救護班と交代し、再び診療開始。
4:00
 初日の救護活動を終える。初日の合計は下記のとおり。
取扱者数  65人
主な症状  高血圧22人、心疾患3人、糖尿病5人、外傷4人、喘息3人、風邪3人、不眠症7人、脳梗塞患者4人、便秘4人、その他小児ほっせき・めまい、下血、膀胱炎、脱水
後方搬送  パーキンソン病有りで39.6の高熱が4日間続く人、脱水症の人の計2人

9:20
 第2班、陸前高田市内の巡回診療を開始する。要谷公民館で25人、古谷公民館で15人、双六公民館で7人、福伏の荒木宅で9人、福伏海産物直売所で1人の計57人を救護する。
主な症状
要谷公民館…便秘5人、高血圧9人、喘息4人、風邪3人、脳梗塞・胃痛・外傷・高コレストロール各1人ずつ
古谷公民館…高血圧7人、風邪2人、便秘2人、関節痛2人、喘息・脳梗塞各1人ずつ
双六公民館…関節痛2人、便秘2人、高血圧・坐骨神経痛・糖尿病各1人ずつ
福伏荒木宅…高血圧5人、喘息・不眠症・腰痛・胃痛各1人ずつ
福伏海産物直売所…膝関節に水がたまる人が1人

9:30
 岩手県陸前高田市第一中学校で救護活動を行っている日赤救護班からの避難所状況報告から日赤福井県支部では、避難者に使ってもらおうと同支部に備蓄してある毛布1,500枚、緊急セットと安眠セットを500セットずつ搬送することとした。赤十字病院職員や学生・救護奉仕団らがトラックに積み込み、支部職員と救護奉仕団員の2名が出動した。
※緊急セット…タオル・ウェットティッシュ・歯磨き・歯ブラシなどの日用品セットのほか、携帯ラジオ、懐中電灯など24品が入っている。
※安眠セット…今回の避難所が第一中学校体育館のため、体育館のように床が畳と違う場合は、マット・枕・アイマスク・耳栓などが入った安眠セットを配布する。

19:00
 第2班、巡回診療を終え、第一中学校に戻る。 
20:00
 日赤秋田県支部救護班2コ班・日赤岩手県救護班2コ班、第2班の日赤福井県支部救護班1コ班の計5コ班の救護班ミーティング。その後、第2班は22時まで第一中学校の救護活動を行い、2日目の活動を終える予定。
22:00
 第2班、2日目の救護活動を終える。20時から22時までは、風邪の3人を診療。

3/16
3:20
 15日9時30分に日赤福井県支部を出発した救援物資搬送班が、第一中学校に到着。(北陸・磐越自動車道を通り途中、高速を降りて下道を走り東北中央・山形・東北自動車道を通って現地に向かう。福島県を避けたルートでの運行、段差や降雪等のため到着予定時間が大幅にずれる)
7:00
 搬送した毛布等の救援物資は、陸前高田市災害対策本部(第一中学校から1キロ先)との協議で第一中学校(陸前高田市高田町)のほか、学校給食センターで降ろすことになった。同センターから配布される。
8:00
 第2班、第一中学校で診療開始。
11:00
 第2班、診療終了。日赤岐阜県支部と引継ぎ。
取扱者数  19人
主な症状  高血圧10人、風邪8人、胸の痛み1人
後方搬送  胸の痛みを自衛隊車両で盛岡赤十字病院へ搬送

11:47
 第2班、救護活動を終え第一中学校を出発。
19:00
 普段、日赤福井県支部救護班に編成されている市立敦賀病院の出動が決まる。市立病院は、3月30日から4月1日まで、日赤福井県支部救護班第6班とし
て現地で活動する。

3/17
2:40
 日赤福井県支部救護班第2班、帰還。
15:30
 現地・陸前高田市第一中学校で救護所を開設し避難者の診療を主に活動を続けてきた日赤福井県支部救護班の活動内容が、同市内に47ヶ所ある避難所を回る巡回診療に変更。このため、22日から現地で活動を行う日赤救護班第4班から引継時間が午前8時に変更となる(福井発が前日17時から13時半に変更)。 また、日赤現地災害対策本部(以後「日赤現対」)が岩手県遠野市「遠野健康福祉の里(遠野市松崎町白岩字薬研渕4−1)」に立ち上がったことを受け、同地を拠点に活動を展開していく。 
17:20
 日赤福井県支部救護班第3班が出発式を終え、日赤現対に向けて出発。今回、一人でも多くの被災者救護にあたるため研修医1名と運転業務・広報要員として血液センター職員が要員に加わった。

◎日赤福井県支部救護班第3班
班長(医師) 小豆澤 勝幸(福井赤十字病院整形外科部医師)
医 師    堀江  武(福井赤十字病院初期臨床研修医師)
看護師長   成田 和枝(福井赤十字病院看護師長)
看護師    徳橋 圭子(福井赤十字病院看護師)
看護師    新保 比奈子(福井赤十字病院看護師)
薬剤師    新谷 智則(福井赤十字病院薬剤部薬剤師)
主 事    渡辺 速美(福井赤十字病院病院経営課長)
主 事    小川 貴司(福井赤十字病院医療情報課主事)
主 事 佐藤 宏親(福井県赤十字血液センター総務課主事)
調整員    藤井 友幸(日本赤十字社福井県支部事業推進係長)

21:00
 日赤現対との調整で、日赤福井県支部救護班の活動が陸前高田市であることから迅速な活動を展開するため、遠野市にある日赤現対に寄らず直接、陸前高田市に向かうことで調整(日赤現対との指示や報告等は無線や携帯などで対応)。

3/18
2:00
 磐越自動車道を走行中の日赤福井県支部救護班第3班に、SAガソリンスタンドの利用状況報告(※1)や、陸前高田市第一中学校に直接向かうよう指示。
※1
磐越自動車道磐梯山SA(上り)…何度電話しても出ず。
東北自動車道安達太良SA(下り)…ガソリン制限あり。但しハイオク満タン可能。磐梯山SAから30分もかからない距離。
東北自動車道路長者原SA(下り)…ガソリン満タンOK。安達太良SAから100キロ弱。

11:25
 前日17時20分に福井を発った日赤福井県支部救護班第3班(以後「3班」)が、陸前高田市第一中学校に到着。北陸・磐越・東北道を通って向かったが途中、吹雪と凍結に見舞われ、予定時間が大幅に遅れる。日赤岐阜県支部救護班と引き継いで巡回診療に回る。 
12:36
 21日から現地に向かう日赤福井県支部救護班第4班の要員が決まる。
15:00
 3班、陸前高田市の高田斎苑で救護活動。同斎苑は高台にあり、津波を逃れた住民がたどり着いた場所。前日のニュースでは通行可能となっていたが、同斎苑上り口では崩れた家屋が道をふさぎ「車では上がれない」と案内された3班は、自衛隊員とともに徒歩で斎苑に向かった。
取扱者数  10人
主な症状  高血圧4人、大腸・胃がんの術後者2人、糖尿病・前立腺・めまいの人が1人ずつ。
◎津波ですぐに逃げたこともあり、薬を自宅に置いたままの慢性疾患の人が多い。

17:00
 3班、光照寺(陸前高田市高田町)の避難所で救護活動。18時まで。
取扱者数  2人
主な症状  貧血1人、感染症1人
18:30
 第3班、第一中学校に戻る。その後、ミーティングを終えた第3班は20時から再度、反省会等を行い、初日の活動を終了する。

3/19
8:00
 第一中学校にて第3班と、秋田県支部・岩手県支部の各救護班、現地避難所の調整員(コーディネーター)である保健師でミーティング。その後、3班は陸前高田市内の巡回診療に向かう。
9:00
 定住促進センター(竹駒町)で救護活動(10時45分まで)。
取扱者数  17人
主な症状  高血圧5人、感冒3人、糖尿病3人、喘息1人、その他心臓や脳梗塞等の既往歴者

11:00
 西部デイサービスセンター(同)で救護活動(12時半まで)。同センター内にあるグループホーム金山で、入所者が通っていた病院が流されたとの理由から薬切れが多く、診察して10人の院外処方箋を出す。取扱者数は16人、その他主な症状に高血圧2人、喘息1人、でん部から腰痛や膝関節痛が各1人ずつなど。
13:45
 市総合スポーツドームサンビレッジ(高田町)で救護活動(15時10分まで)。同施設は通常の体育館より大きな建物であるため、多くの受入れが可能であるものの、天井は普通の体育館よりも高く、屋根もテント張りのようなものであることから、「非常に寒い」と3班からの報告。190人の避難者はいるものの、昼間は行方不明の家族などを探しに出掛けている。
取扱者数  24人
主な症状  感冒10人、花粉症4人、高血圧2人、便秘や胸やけ・アトピー・脳梗塞の既往者・甲状腺疾患

15:15
 希望が丘病院(高田町)で救護活動(17時45分まで)。同病院は精神科・神経内科の病院であり通常の患者以外に、60人が避難している。
取扱者数  12人
主な症状  感冒3人、高血圧・脱水症・けいれん各1人。大動脈炎症候群、じん肺・アスベスト肺など重症者もあり、時間を要する。また、胃ろう交換が必要な人もおり、その後の対応を検討。
18:00
 3班、第一中学校に戻る。
20:00   3班、秋田県支部救護班・岩手県支部救護班、現地避難所の調整員(コーディネーター=他県自治体からの派遣)である保健師とでミーティング。

[ミーティング内容]
◎後方搬送への要請先が必要。日赤の場合、日赤現対が務めているものの、胃ろう交換の必要な人、胃がんで抗がん剤の必要な人もいて、受入れの先の確保が必要。
◎避難者の常備薬はほとんどが流され、これまでは陸前高田市に住んでいる薬剤師が調剤薬局から第一中学校に持ってきていたが、これらの薬も底をつき始め、救護班医師が処方するにしても、かかりつけ医でないため、薬剤師の同行はあるものの、渡し方に問題が生じている。
◎第一中学校の避難所にインフルエンザも流行り始めている。すでに2人は2階の別部屋に隔離されている。
◎避難者の中には、避難はしてきたものの褥瘡(床ずれ)になっている人もいる。ノロウィルスなどの心配もあり今後、衛生上の問題も生じてくる。
◎巡回診療に向かった避難所先で、昼間は生存者確認に出掛けているため人も少ないことから、「早めに来るか、夜に来るかにしてほしい」と避難者からの要望があった。
◎道路復旧作業を行って車で通れないこともあり、いつ・何時なら遠れるのかなど救護班への情報が必要。
◎第一中学校では歯科診療も開設された。

21:45
 ミーティング終了。日赤現地対策本部(=日赤現対。遠野市遠野健康福祉の里に設置)へ移動。同現対に報告しに二日目の活動を終了予定。

※処方箋とカルテと二度書きすることとなるので、A5に切ったカーボン紙があると良い。次班は持参のこと。(現地救護班報告から)

◎宮城県災害対策本部連絡調整として高久秀二事業推進課長を、3月20日から22日まで宮城県庁へ派遣。宮城県庁内同本部で各機関との連絡調整等にあたる。(19日出発、23日帰還)

3/20
8:00
 3班、日赤岐阜県支部救護班と引継ぎ。陸前高田市健康推進課の職員(保健師)が市内避難所のコーディネーターを務め、巡回先を案内している。同市職員も多くが津波等の影響で亡くなられ、他県自治体からの職員が替わりにあたっている。
9:30
 3班、第一中学校出発。帰還に向かう。往路は磐越自動車を通ってきたが磐梯山SAで被爆測定数値が5ミリシーベルト。いずれにしても人体に影響がないことから、復路も往路と同じルートで帰還予定。
17:50
 本社との調整で岩手県に救援物資を拠出することが決定。22日以降に搬送することで準備する。
23:00
 日赤で救護所を開設している陸前高田市第一中学校を、午前9時半に発った日赤福井県支部救護班第3班が無事、帰還した。

3/21
13:30
 日赤福井県支部救護班第4班、支部事務局長、院長らに見守られるなか出発。今回の未曾有の災害に鑑み、被災地における情報収集や地域環境の把握、連絡調整、さらには救急車両の運転業務となる主事の役割と疲労も大きいことから、災害ボランティアである福井県赤十字救護奉仕団(※1)が主に運転業務として初めて要員に加わった。第4班は22日早朝に現地・陸前高田市入りし、24日昼まで同市内の巡回診療にあたる。
◎日赤福井県支部救護班第4班
班長(医師) 小畑 友里江(福井赤十字病院麻酔科部医師)
医 師    山岸 一也 (福井赤十字病院初期臨床研修医師)
看護師長   堀口 朋美 (福井赤十字病院看護師長)
看護師    松田 ゆう子(福井赤十字病院看護係長)
看護師    西村 美恵子(福井赤十字病院看護師)
薬剤師    渋谷 貞一 (福井赤十字病院薬品管理係長)
主 事    三上 和夫 (福井赤十字病院医療社会事業課長兼地域医療連携課長)
主 事    大塚  治  (福井赤十字病院医療情報課係長)
主 事    齋藤 崇範 (福井県赤十字血液センター業務課主事)
運転業務   山口 和男 (福井県赤十字救護奉仕団団員)
         
(※1)福井県赤十字救護奉仕団は赤十字の災害ボランティアとして阪神大震災の翌年、日赤福井県支部に誕生した。同支部が計画する訓練・研修のほか、県総合防災訓練や原子力防災訓練など自治体の訓練にも参加。救護班の補助的役割ばかりでなく、救援物資の搬送やこころケア要員の補助など幅広い役割を担っている。普段は、負傷者の応急手当、担架搬送の技術修得など枚挙にいとまがない。こころのケア要員の補助としては、被災者の声に耳を傾けることも大切なこと。救護奉仕団は「聞く」ではなく、「聴く」という姿勢を心がけている。

14:30
 前日要請のあった岩手県へ拠出する救援物資を福井県赤十字救護奉仕団が、これらの搬送準備を行う。日用品や携帯ラジオ・懐中電灯など被災者の身の回りの品24種類が入った緊急セットを300セット、避難者に少しでも快適な睡眠が図られるようとした安眠セットを100セット、それぞれ準備した。これら救援物資は22日以降に、本社の手配した運送業者で岩手県へ搬送される。

3/22
6:35
 前日13時半に福井を発った日赤福井県支部救護班第4班が、陸前高田市第一中学校に到着。北陸道〜磐越道〜東北道を利用しての通行。第4班報告から、磐越道からℓ制限のあった高速道でのガソリンスタンド(スタンド)は、利用した磐梯山SA、国見SA、長者原SAのスタンドも全て満タンで入れることができたとのこと。他のスタンドも大丈夫だろうとのことだが、これまで緊急車両のみの走行可能としていた高速道が一般車両の通行規制解除との情報もあり、再びスタンド規制がかかるのではとも。
7:45
 第4班、日赤岐阜県支部救護班と引継ぎ。第一中学校は院外処方薬の窓口、薬局のような役割を担い始め、同中学校に避難している人だけでなく多方面からの被災者が来るため、昨日は90人強の診療を行なったのことで第4班は、引継ぎ後すぐに同中学校での救護を開始する。巡回診療は他の日赤救護班が行う。
12:30
 過去に福井赤十字病院で勤務し能登半島地震災害では日赤福井県支部救護班として活動した大阪府在住の医師から、今回の未曾有の災害に対し、「休暇が取れるため、日赤救護班として協力したい」との申し出を受ける。
14:25
 日赤福井県支部救護班第5班および第6班の要員が決まる。第5班は、25日に出発し26日〜28日まで(29日帰還)、第6班は29日出発し30日から4月1日まで(2日帰還)、陸前高田市で救護活動を行なう。特に第6班の市立敦賀病院は、日ごろ日赤救護班として編成されており、日赤救護班の一員として今回初めて出動することとなっている。
14:30
 午前8時から第一中学校の日赤救護所で活動を開始した第4班は、同中学校にいる避難者以外からも押し寄せ、昼食を取るのもままならず、長蛇の列となっている被災者たちの対応に追われている。14時半まで95人を処置。そのほとんどは、高血圧・糖尿病・脳梗塞の既往者などの慢性疾患に対する人たちの薬切れや流された薬の処方が多く、感冒も数名いる。同中学校救護所は、第4班が日赤岩手県支部救護班(盛岡赤十字病院)と交代で行なうが、休憩中の同救護班が手伝わなければならないほどになっており、一つの救護所に第4班の医師2名と岩手県支部救護班医師の3つの診察室を設けている状態となっている。なお、16時からは岩手県支部救護班は休憩に入ってもらうため、第4班のみで20時頃まで対応する。
18:00
 第4班報告によると、午前8時から18時までに130人を診療。症状は、感冒30人、高血圧30人、糖尿病8人、花粉症8人、不眠症5人、腸炎4人、咽頭炎4人、上気道炎3人、喘息3人。ほか下痢の症状など。中には肺がん術後で抗がん剤を当用している人もおり、通院先の隣町の気仙沼市立病院に確認しながら対応を練っている。救護班看護師長らは、感染性胃腸炎など感染症が増えてきそうな気配と心配している。
20:00
 各日赤救護とのミーティング。初日、第4班が診療した人数は145人。中には「もう死にたい」と練炭中毒の人も訪れた。医師や看護師長らが耳を傾け、話しかける言葉にこの高齢の男性は、元気を取り戻し帰っていった。 
20:40
 ミーティング終了。その後、日赤現地災害対策本部(日赤現対)に移動。
22:40
 日赤現対着。一日の活動報告を行ない第4班、初日の活動を終える。

3/23
8:00
 日赤福井県支部救護班第4班(第4班)、午前8時から陸前高田市第一中学校の日赤救護所で活動開始。午前10時30分現在の診療状況は下記のとおり。
取扱者数  28人
主な症状  高血圧7人、感冒9人、花粉症3人、糖尿病3人、その他中耳炎・皮膚炎・膀胱炎など。
後方搬送  消化管出血の疑いで1名を大船渡病院へ消防救急車両にて搬送。

14:15
 第4班が救護活動をしている救護所に、インフルエンザの疑いによる上気道炎の1歳の乳児を大船渡病院へ緊急搬送。
16:00
 第4班の午前8時から午後16時現在の診療数は下記のとおり。第4班には医師が2人いるため、1人が同救護所を受け持ち、1人が第一中学校避難所内を往診する。2階には、インフルエンザ発症児と感染症疑い児とに分けた部屋を設けた。
取扱者数  81人(うち2階児童の診療10人を含む)
主な症状  高血圧12人、感冒21人、花粉症8人、糖尿病4人、その他インフルエンザ既往者など

16:10
 脳梗塞の48歳男性を大船渡病院へ緊急搬送。
20:00
 第4班、第一中学校救護所での二日目の診療を終了。朝8時から20時までの診療数は下記のとおり。同中学校の避難所には多くのボランティア団体等が炊き出しや調理をし、避難者へ食事を配布している。
取扱者数  120人
主な症状  感冒28人、花粉症19人、高血圧16人、脳梗塞既往者5人、皮膚炎5人、糖尿病4人、喘息3人、狭心症2人、膀胱炎2人、その他あったかい食べ物をこぼしてのやけどの女児、復旧作業での腰痛など。
※なお、主な症状の記載症状は、個々の主の診断であり、ほとんどが不眠症や風邪などを併発している。

20:15
 陸前高田市内の巡回診療を担当した日赤秋田県支部救護班2コ班、救護所を担当した日赤岩手県支部救護班1コ班、市保健師(第一中学校避難所コーディネーター)とともに20時45分までミーティング。
20:50
 第4班、第一中学校救護所を離れ、日赤現対に向かう。
22:00
 第4班、日赤現対着。一日の報告を行い、二日目の活動を終える。

3/24
8:00
 第4班、陸前高田市第一中学校避難所の日赤救護所で診療開始。
10:40
 脊髄損傷の30歳女性を大船渡病院に緊急搬送。
13:00
 第4班、診療を終え日赤岐阜県支部救護班(高山赤十字病院)と引継ぎ。8時から13時までの診療数は下記のとおり。
取扱者数  62人
主な症状  高血圧14人、感冒14人、花粉症7人、糖尿病4人、咽頭炎3人、尿路感染症2人、白内障2人、湿疹2人など

13:45
 第4班、日赤岐阜県支部救護班との引継ぎ終了。予定の救護活動を終え、帰還に向かう。
16:00
 岩手県陸前高田市で救護活動を続けている日赤福井県支部に昨夜、現地の活動状況から、共に活動をしている日赤秋田県支部や岩手県支部日赤現地対策本部より、4月3日からの追加派遣要望がある。
19:00
 以前、福井赤十字病院に勤務し、能登半島地震災害では日赤福井県支部救護班として活躍された医師(現在大阪府在住)からの協力申し出に対し、陸前高田市で活動を行う4月7日からの第8班、宮城県石巻市で活動を行う4月23日からの第10班に、日赤福井県支部救護班要員として加わることとなった。

3/25
11:00
 第4班、岩手県陸前高田市での救護活動を終え無事、福井赤十字病院に到着。
14:00
 日赤福井県支部救護班第5班、被災者の救護活動を行うため、陸前高田市に向け福井赤十字病院を出発。
◎日赤福井県支部救護班第5班
班長(医師) 山手 康司(福井赤十字病院神経内科部医師)
看護師長   野路 真由美(福井赤十字病院地域医療連携課看護師長)
看護師    東川 恵莉子(福井赤十字病院助産師)
看護師    伊藤 梨江(福井赤十字病院看護師)
薬剤師    谷澤 範彦(福井赤十字病院薬剤師)
主 事    見谷 邦夫(福井赤十字病院放射線科部X線技術課長)
主 事 向嶋  衛(福井赤十字病院健診業務課長)
主 事    野村 心平(福井赤十字病院総務課主事)
主 事    吉田 利明(福井県赤十字血液センター学術・品質情報課学術係長)

15:55
 救護班の追加要望を受け調整にあたっていたところ、市立敦賀病院から日赤福井県支部救護班第7班としての出動協力をいただく。市立敦賀病院は、日赤福井県支部救護班第6班として3月30日から4月1日まで陸前高田市で活動を行い(3月29日出発、4月2日帰還)、引き続いて4月3日から5日まで(4月2日出発、6日帰還)、日赤福井県支部救護班の第7班として活動いただくこととなった。

◎4月末までの日赤福井県支部救護班の現地活動予定日は下記のとおり。
第5班:3月26日〜28日(岩手県陸前高田市第一中学校避難所)
第6班:3月30日〜4月1日(岩手県陸前高田市第一中学校避難所)
第7班:4月3日〜5日(岩手県陸前高田市第一中学校避難所)
第8班:4月7日〜9日(岩手県陸前高田市第一中学校避難所)
第9班:4月15日〜17日(宮城県石巻赤十字病院を拠点に市内及び周辺の巡回診療)
第10班:4月23日〜25日(宮城県石巻赤十字病院を拠点に市内及び周辺の巡回診療) 

22:40
 東北道下り国見SAで給油するも50分の時間を要す。一つ手前のSA・安達太良SAで給油しようとしたが、一般車両の通行規制解除に伴い、安達太良SA入口の高速道に及ぶまで燃料を入れようとする車の列が並び、ここを通り過ぎて次の国見SAで給油したものの、22時40分の時点でも一般車両が入り混じり、予想以上の時間がかかってしまったとのこと。

3/26
9:00
 目的地の陸前高田市は一関ICを降りて向かうが、降りる前の最後のSA・長者原SAは、国見SAから100km弱の距離。追加給油しようとするも長者原SAのガソリンスタンドはすでに底をつき給油不可能。
12:05
 日赤福井県支部救護班第5班、陸前高田市第一中学校に到着。日赤岐阜県支部救護班と引継ぎを行って救護活動にかかる。
15:20
 15時現在の第5班の救護活動状況。
取扱者数  27人
主な症状  感冒8人、吐き気3人、便秘2人、花粉症2人、外傷2人、その他白内障、めまい、口内膨張(腫れ)など
◎レントゲン車が配置され、利用可能。
◎カルテボード(A4版で可)が足りず、次班から多めに持参した方が良い。

19:00
 ミーティングが20時から19時からに変わったため、第5班からは看護師長と主事1名が出席(19時45分終了)。今後も19時からミーティングを行う。
◎避難所生活から16日。ストレスを感じ言葉にする人も多く、看護師長らが丁寧に話を聞いている。
◎社保、国保、後期高齢者医療などわかる範囲でカルテの余白に記入する。
◎明日から、小児救急医学会からの小児科医が、第一中学校の日赤救護所内で診療を行う。

20:00
 第5班、初日の診療を終了。開始から20時までの活動状況は下記のとおり。
取扱者数  70人
主な症状  感冒17人、外傷9人(倒壊自宅の整理中に手を切った、足に釘が刺さったなど)、吐き気5人、花粉症4人、便秘2人、目の充血2人、その他頭痛、胃痛、めまい、心筋梗塞の疑いなど。なお、吐き気は、食事のあと気分が悪くなったとのことだが、食事はおにぎり2個と具沢山の汁物で、食中毒の疑いではなく、ストレスや無理して口にすることなどが要因。
◎第一中学校の避難所は当初1,200人の避難者がいたものの、現在は時間帯にもよるが650人ほどに減ってきているようだ。ただ、周辺の被災者も第一中学校に訪れており、第一中学校の救護所は現在の第5班と日赤岩手県支部救護班の2つの班が、常駐していることが望ましい。なお、巡回診療も含め、陸前高田市で行っている日赤の救護活動は約1,500人の被災者をカバーしている。
◎第一中学校避難所は同中体育館が主だが、ここには数台、テレビも置かれている。
◎第一中学校から盛岡赤十字病院行きのバスも運行されており、夕方には同病院からまた第一中学校に帰ってくるようにもなっている。

20:40
 第5班、日赤岩手県支部現地対策本部(日赤現対)に向けて出発。22時頃に到着し、日赤現対に報告して一日目の救護班活動を終える予定。

3/27
7:44
 日赤福井県支部救護班第5班(第5班)、陸前高田市第一中学校避難所内の日赤救護所に到着。二日目の診療を開始する。
9:30
 赤十字救急法指導員から、救護班の補助等として協力したいとの連絡があり、それぞれ現地で救護班活動する3月30日からの第6班、4月3日からの第7班の要員に加わることとなった。
11:00
 日赤救護所では現在、第5班と日赤岩手県支部救護班が共同で診療にあたっている。11時までの合計の診療数は36人。その後、岩手県支部救護班は休憩に入り、第5班のみで対応する。第5班の11時までの活動は下記のとおり。
取扱者数  19人
主な症状  感冒9人、高血圧3人、腹痛2人、その他外傷、腰痛、下痢など
後方搬送  小脳血管障害の疑いで84歳女性を消防救急車でヘリポートへ、その後ヘリで盛岡赤十字病院へ搬送する。
◎日赤救護所に風邪で訪れた35歳男性は、家族3人が津波にのまれて行方不明との心情を訴える。医師や看護師長らがこの男性の一言一言に耳を傾けながら、こころのケアに努めている。

15:00
39度の高熱で肺炎の疑いのある69歳男性を、大船渡病院へ消防救急車で搬送。
19:00
ミーティング。
◎陸前高田市には小児科医(開業医)が一人しかいないらしく、今回の災害で機能できず、今日から、日赤救護所内に加わった小児救急医学会から2人の医師がみえたことは非常に助かったとのこと。
◎外傷が目立ち、破傷風への注意を喚起する。
◎巡回診療では、感冒・高血圧の人が非常に多い。
◎気温は1℃、朝方は−4℃。救護する側にも充分な寒さ対応が必要。

20:00
第5班、第一中学校での診療を終了。このあと日赤現対に移動し、報告を行って二日目の救護班活動を終える。8時から20時までの状況は下記のとおり。
取扱者数  106人(うち第5班は64人をみる) 
主な症状  感冒17人、慢性疾患者(薬希望)8人、高血圧6人、外傷7人、便秘4人、下痢4人、花粉症2人、喘息2人、その他腹痛など

◎8時30分に小脳血管障害の疑いで盛岡赤十字病院へ、ヘリによる空輸搬送の84歳女性は、CT等検査の結果、三半規管の異常により入院することとなった。
◎看護師が複数いるため、手の空いた時などは第一中学校内の避難所を回って、被災者に声を掛けたり話しを聞いたりしている。家族を亡くされた方が多く、避難所生活のストレスもあってこころのケアに努めている。
◎第一中学校には、医療・福祉・看護・保健師と各職種のスタッフがいるためそれぞれ連携を図っているが、日赤の医師が常駐していることは、非常に頼りにしていると話されていた。
◎第一中学校避難所でのお風呂提供は、隣町の奥州市のボランティアの人たち。避難所の子供に綿菓子やホットコーヒーなども提供していた。


3/28
8:00
 第5班、第一中学校で診療開始。

13:00
 第5班、予定の救護活動を終了し、日赤岐阜県支部救護班と引継ぐ。8時から13時までの活動内容は下記のとおり。
取扱者数  59人(うち5班は35人)
主な症状  感冒8人、高血圧7人、既往者(薬)7人、花粉症4人、外傷3人、その他便秘や腹痛など)
◎日赤救護所に来た38歳の男性。妊娠中の奥さんのほか両親、祖母、子供の6人家族だったが皆、津波にのまれて亡くなったとのことで「死にたい」と訴える。看護師長らのほか、東京都から派遣の専門員
らでこころケアにあたる。

13:20
 陸前高田市第一中学校で3月30日から4月1日まで救護活動を行う第6班、4月3日から5日まで救護活動を行う第7班の救護班要員が決まる。両班とも、日赤福井県支部防災ボランティア(赤十字救急法指導員)が運転要員として協力するほか、第7班には看護師・保健師の有資格者も、それぞれ要員に加わる。
◎日赤福井県支部救護班第6班
班長(医師)加藤 成 (市立敦賀病院外科医師)
看護師   上田 紀子(市立敦賀病院助産師)
看護師   武長 朋子(市立敦賀病院看護師)
看護師   伊藤 弥生(市立敦賀病院看護師)
主 事   西島 勝之(市立敦賀病院薬剤師)
主 事   粕谷  聡 (市立敦賀病院総務企画課主事)
運転要員  玉井 康弘(日本赤十字社救急法指導員・日赤福井県支部防災ボランティア)
連絡調整員 高久 秀二(日本赤十字社福井県支部事業推進課長)

◎日赤福井県支部救護班第7班
班長(医師)木村 圭一(市立敦賀病院血管外科部長)
看護師   田中 知子(市立敦賀病院看護部次長)
看護師   今井 千恵美(市立敦賀病院主任看護師)
看護師   下山 亜紀(市立敦賀病院助産師)
主 事   高城 茂弘(市立敦賀病院臨床検査技師)
主 事   田辺 辰浩(市立敦賀病院医事サービス課主幹)
協力看護師 石丸 悦子(日本赤十字社救急法指導員・美浜町保健福祉センター保健師長)
運転要員  玉井 康弘(日本赤十字社救急法指導員・日赤福井県支部防災ボランティア)
運転要員  四方 真二(日本赤十字社救急法指導員・日赤福井県支部防災ボランティア)
連絡調整員 山田 智也(日本赤十字社福井県支部総務課主任)

13:47
 第5班、引継ぎを終え帰還に向かう。

18:39
 陸前高田市第一中学校で、4月7日から9日まで救護活動を行う第8班の救護班要員が決まる。要員には以前、福井赤十字病院に勤務し、能登半島地震災害では日赤福井県支部救護班として活躍された医師(現在大阪府在住)からの協力要請、元福井赤十字病院看護師で現在は福井県赤十字救護奉仕団員となっている方からの協力要請がそれぞれあり、また運転要員として同奉仕団員からの協力要請もあり、これら加わった要員となった。日赤福井県支部救護班が陸前高田市で行ってきた活動は、第8班で終了し、その後は日赤第1・第2ブロック支部救護班に引き継いでいくことになる。発災翌日から日赤岐阜県支部とともに第一中学校避難所の日赤救護所を開設しながら交互に行ってきた福井県支部救護班は、これまで関わった班の思いを集約して最後の第8班は臨む。第8班要員には医師・看護師等複数いることもあり、第一中学校避難所での救護所のほか、陸前高田市内の巡回診療やその他医療援護など幅広い活動が期される。要員は下記のとおり。なお、第9班からは、宮城県石巻市他(石巻医療圏)で救護活動を行っていく。

◎日赤福井県支部救護班第8班
班長(医師)藤井 秀則(福井赤十字病院外科部長)
医 師   熱田  淳 (元福井赤十字病院医師)
看護師長  田谷 美貴代(福井赤十字病院看護師長)
看護師   畠中 美和(福井赤十字病院看護師)  
看護師   水島 わかば(福井赤十字病院看護師)
薬剤師   笠川 益夫(福井赤十字病院薬剤部医薬品情報係長)
主 事   桃田 悦男(福井赤十字病院医療安全推進課長)
主 事   櫻井 慎二(福井赤十字病院管財課施設・管理係長)
協力要員  櫻谷 君代(元福井赤十字病院看護師・福井県赤十字救護奉仕団)
運転要員  山下 俊英(福井県赤十字救護奉仕団)
連絡調整員 山本 裕行(日本赤十字社福井県支部総務課長)


3/29
8:45
 福井県美浜町在住の赤十字救急法指導員(日赤福井県支部防災ボランティア)の2人が、3月30日からの第6班、4月3日からの第7班にそれぞれ、救護班協力要員として加わるが、2人は美浜町民として初めて被災地の救護活動に参加することから、日赤美浜町分区長でもある山口治太郎町長らが役場に招いて2人をねぎらった。同副分区長の中村春彦副町長や日赤担当課の西村正樹健康福祉課長、一瀬繁紘美浜町赤十字奉仕団委員長らに見守られながら2人は、山口町長から「まだわからない状況もある中で、これまでの経験も生かして精一杯活動してきてほしい。帰ってから状況や活動を町民に伝えてほしい」とエールを送られ、「このような場を設けていただき本当に感謝します。全力でがんばってきます」と答えていた。活動に参加する玉井康弘さんは第6班と第7班の運転要員として、石丸悦子さんは第7班の看護師・保健師業務として救護班をサポートする。

9:45
 第5班、無事、福井赤十字病院帰還。

10:30
 救護班要員の医師を通じて市内のパン屋さんから、「被災地で不びんな避難所生活を送る子どもたちにパンを届けたい」との相談を受け調整を進めてきた日赤福井県支部は、同支部救護班が活動する第一中学校の避難所に届けるため本日、現地へ向かう第6班救護班の車両に詰め込む。子どもたちに喜んでもらえるようアニメのアンパンマンをデザインしたパン、アトピーの子どもたちを想定して卵を使わないパンなど日持ちするパン1,200個を市内のパン屋さん有志が丹精こめて作り上げた。避難所の子どもたちには明日、配られる。また、日ごろ福井県支部と連携を図っている福井商工会議所からも、会員の医薬品会社から避難所へマスクや消毒ジェルを届けてほしいと提供があったため、同様に車両に詰め込む。
日赤福井県支部ではこれらの善意をしっかりと受け止め、一人ひとりの願いを載せた車両は、日赤福井県支部救護班として初めて出動する市立敦賀病院とともに被災地に向かう。

12:40
 日ごろは日赤福井県支部救護班に所属している市立敦賀病院のご理解とご協力のもと今回初めて、日赤福井県支部救護班の第6班として出動。敦賀市役所ではその出発式が行われた。出発式で日赤敦賀市地区長の河瀬一治市長が「未曾有の災害に対し、皆さんは敦賀市民の代表として頑張ってください」と激励。班長の加藤成医師は「被災者のために一生懸命努めてきます。メンタル面もしっかりケアしていきたい」と決意を述べた。このあと、河瀬地区長や市職員、敦賀市赤十字奉仕団らに見送られ、現地に向けて出発した。第6班は、4月1日まで陸前高田市第一中学校避難所の日赤救護所で活動を行う。

3/30
12:20
 日赤福井県支部救護班第6班(6班)、陸前高田市第一中学校到着。日赤岐阜県支部救護班と引継ぎ。

15:00
 人工関節の化膿・感染で75歳・男性を大船渡病院へ後方搬送。

16:00
 第6班は、日赤岩手県支部救護班と2つの班で第一中学校の日赤救護所を担当しているが、引継ぎから16時までの診療内容は下記のとおり。この後、岩手県支部救護班は休憩に入り、第6班のみで20時まで受け持つ。
取扱者数  61人
主な症状  感冒(上気道感染症含む)15人、ストレス症20人、高血圧3人、その他慢性疾患(薬)数名、便通など

17:00
 第一中学校避難所に、被害にあった自宅の整理などで出掛けていた子どもたちも戻ってきたことから前日、提供を受けた福井市内のパン屋有志で作られたパン1200個が配られた。同避難所で調整にあたる市職員が、アニメ・アンパンマンに登場する人物を用いて「福井のジャムおじさんたちからパンが届きましたよ」と子どもたち一人ひとりに手渡すと、避難所内には子どもたちの歓声が響き渡り、大喜びで受け取っていた。この模様は地元の新聞社も取材し、子どもたちの笑顔をカメラに納め、インタビューしていた。また、医薬品会社からの提供のマスクや消毒ジェルも配置され、市職員らが「しっかりと手を洗ってくださいね」と呼びかけていた。このほか、福井赤十字病院看護師や赤十字奉仕団らから託さされたぬいぐるみも同避難所に飾られた。

19:00
 第6班からは助産師と主事が参加して他の日赤救護班、救護の調整を図る市保健師のコーディネーターらとのミーティング。

20:00
 第6班、第一中学校救護所で活動終了。このあと、日赤現対に移動、報告して初日の救護活動を終える。なお、16時から20時までの内容は下記にとおり。
取扱者数  28人
主な症状  感冒(上気道感染症含む)6人、ストレス症5人、高血圧3人、その他外傷など

3/31
8:00
 第6班、陸前高田市第一中学校で二日目の活動を開始。

12:00
 第6班の8時から12時までの診療内容は下記のとおり。第一中学校では本日卒業式があり、卒業予定者全員の出席ではなかったものの、避難所となっている第一中学校の体育館ステージで行われた卒業証書授与式は、避難している人たちにも見守られるなか執り行われた。
取扱者数  52人
主な症状  感冒(上気道感染症含む)20人、高血圧7人、皮膚炎5人、外傷5人、その他慢性疾患(薬)、ストレス、捻挫など

14:40
血栓性静脈炎の疑いで85歳女性を大船渡病院へ後方搬送。
16:00
第6班の12時から16時までの診療内容は下記のとおり。第一中学校の日赤救護所に、岩手県立高田病院(陸前高田市)の出入業者から提供された生化学検査装置、CRP測定装置、血液電解質検査機器が配備された。
取扱者数  26人
主な症状  感冒11人、腹痛4人、高血圧3人、その他インフルエンザA型と思われる症状

19:00
ミーティング。
◎日赤救護所にインフルエンザA型と思われる症状もあり、手洗い・うがいの励行,症状が出た場合のマスクの着用・外出の自粛、人に咳やくしゃみをかけないなどエチケットの徹底も必要。
◎大阪府成人病センターの協力で、10時から15時までCT車が配置された。
◎4月8日から週一回、金曜日の昼から眼科医が派遣される。

20:00
第6班、二日目の診療終了。今日一日で105人を診療。16時から20時までの内容は下記のとおり。
取扱者数  27人
主な症状  感冒13人、腹痛4人、その他じんましん、白内障など

20:45
第6班、第一中学校を出発し日赤現対に移動。同現対に報告を行って二日目の活動を終える。
◎第一中学校避難所はボランティア等が朝昼晩の食事の世話をしている。毎回800食弱作るそうで、夕食の献立は、ごはんが茶碗にやや大盛りで一杯、しいたけ2〜3切れ、ふりかけ、みそ汁、バナナ半分だった。肉や魚料理などはまだない様子。
◎昨日、避難所の子どもたちに配られた福井市内パン屋有志からのパンには誕生日用のパンもあり、3月生まれの子たちに配られた。子どもたちの顔くらいの大きさくらいに焼かれたパンはアニメ・アンパンマンの顔に描かれ、子どもたちはとても嬉しい表情を浮かべながらほおばっていたとのこと。

4/1
8:00
 日赤福井県支部救護班第6班(第6班)、三日目の救護活動を開始する。

13:35
 次班の日赤青森県支部救護班(八戸赤十字病院)の到着が遅れる。引継ぎを始める。8時からの第6班の活動内容は下記のとおり。
取扱者数  45人
主な症状  感冒23人、高血圧8人、腹痛3人、喘息2人、その他口内炎、糖尿病、めまいなど。気管支炎により70代女性をCT検査。
◎看護協会から災害ナースも派遣され、避難所内を往診している。
◎第一中学校避難場には自衛隊の給水車も配置された。
◎発災以来、初めてのようなぽかぽか陽気で現在、気温も13℃くらいありそう。ただ昨日も、昼は天気もよかったが、夕方から急に雨も降りだし、寒さが急速に広まった。

14:18
 第6班、引継ぎを終了。予定の救護活動期間を終え、帰還に向かう。

4/2
11:30
 日赤福井県支部救護班第6班(第6班)、無事、市立敦賀病院に帰還。班長の加藤成医師は、「救護所に来られた被災者にストレスケアも進めたが皆、気丈に振る舞い『大丈夫です』と話されていた。それがかえって気がかりだった。静脈血栓塞栓症も気になり、避難所内では咳をすることさえ我慢を強いられてしまう。予防を訴え採血検査もしているが、誰がスクリーニングしていってくれるかなどの体制も必要だ。日赤さんが色々とサポートしてくれ、(スタッフ)みんなが感謝していると思う。緊迫した中にも和むことができ、スムーズな活動ができました」と話し、「また機会があれば出動したい」と意欲も漲らせていた。
12:00
 第6班に引き続き、市立敦賀病院の深いご理解と温かなご協力のもと、同病院の医師・看護師等からなる要員が、日赤福井県支部救護班の第7班として陸前高田市に向け出動。第7班は明日、現地に入り、5日まで被災者救護にあたる。国と赤十字社の協定で、各都道府県支部に5コ班以上の救護班を常に設けることとなっており日赤福井県支部では、8コ班の救護班を編成している。その中で地域性や、原発立地県であることを鑑みた原子力災害、海上事故等をはじめ、古くはシベリア動乱に巻き込まれたポーランド孤児、ナチスの迫害から逃れたユダヤ難民たちの救済活動…。これらに対し迅速な救護・救援を行うため、赤十字病院以外にみなと街・敦賀市の市立敦賀病院が赤十字救護班として編成されており日ごろ、赤十字の救護班研修や訓練にも参加している。なお、赤十字社は、救護班は編成されているものの、赤十字の国際的取り決めによって、たとえ災害救助法が発動されようがされまいが、災害時には救護活動を行わなければならない。第7班は既報のとおり、看護・保健業務、運転業務の協力として日赤福井県支部の救急法指導員(防災ボランティア)3名が救護班要員に加わる。
 ◎日赤福井県支部救護班第7班
 班長(医師)木村 圭一 (市立敦賀病院血管外科部長)
 看護師   田中 知子 (市立敦賀病院看護部部長)
 看護師   今井 千恵美(市立敦賀病院主任看護師)
 看護師   下山 亜紀 (市立敦賀病院助産師)
 主 事   高城 茂弘 (市立敦賀病院臨床検査技師)
 主 事   田辺 辰浩 (市立敦賀病院医事サービス課主幹)
 協力看護師 石丸 悦子 (日赤救急法指導員・美浜町保健福祉センター保健師長)
 運転要員  玉井 康弘 (日赤救急法指導員・日赤福井県支部防災ボランティア)
 運転要員  四方 真二 (日赤救急法指導員・日赤福井県支部防災ボランティア)
 連絡調整員 山田 智也 (日本赤十字社福井県支部総務課主任)

12:59
 災害の名称を「東日本大震災」とする閣議決定したことを受け、日本赤十字社は本日以降、この名称を使用することとし、災害対策本部名、広報誌等への記載についても配慮する旨通知がある。

4/3
12:20
 日赤福井県支部救護班第7班(第7班)、市内及び周辺状況視察のあと陸前高田市第一中学校到着。避難所内の配置を確認。     
12:45
 第7班、日赤青森県支部救護班(八戸赤十字病院)と引継ぎ。その後、日赤岩手県支部救護班(盛岡赤十字病院)と診療にあたる。
14:15
 85歳男性、右足蜂窩織炎(ほうかしきえん)で壊死の可能性が高いため大船渡病院へ広報搬送。
16:00
 この日は日曜日でもあり、自宅の整理や親戚宅等に身を寄せているなどから救護所に訪れる人の数も少ない。岩手県支部救護班は20時以降朝方まで一班で活動を行なうため休んでもらい、第7班のみで20時まで行なっていく。第7班の引継ぎ後から16時現在の活動状況は下記のとおり。
取扱者数   17人(うち9人)
主な症状   感冒2人、椎間板ヘルニア・両下肢浮腫・前身のむくみ・歯肉欠損・鶏眼など

19:00
 ミーティング。日赤秋田県支部救護班は巡回診療を行なっているが、感冒の人が多く、身近にできること(手洗いやうがいなど)を勧めている。感冒、特に咳が多いが、ストレスや疲労がたまって引き起こす要因にもなっているようだ。これまで2千件の健康相談にあたったが、高齢者が多く、精神疾患は訴えただけで181件、生活習慣病も多い。避難所の食事は、お昼に肉丼、夕飯には秋刀魚も出ており、栄養が改善しつつある。
20:00
 日赤福井県支部救護班第7班、この日の診療を終える。このあと、日赤現対に向かい報告して初日の活動を終了する。16時から20時までの活動は下記のとおり。
取扱者数  31人
主な症状  感冒9人、咽頭炎2人、腹痛2人、頭痛2人、眼痛2人、その他喘息や外傷、慢性疾(薬)など。
◎16歳男子、インフルエンザの疑いで第一中学校避難所2階に設置した感染用隔離部屋に移す。医師が気にかけて診ており、ケアを続けている。
◎40歳男性、胸の痛みと動悸を訴え、心電図をとる。血圧も高く、点滴を施す。

4/4
8:00
 日赤福井県支部救護班第7班(第7班)、二日目の活動を開始する。
11:15
 アメリカアリゾナ州ツーソンに住む日本人Y・Eさんから、友人たちと一緒に作ったメッセージフラッグと自家製のTシャツが届けられた。Y・Eさんの友人の自宅が陸前高田市にあり全壊した。これを聞いたツーソンに住む日本人たちで作るグループや米国の友人たちが義援金を集めたり寄せ書きを作ったが、送り先がわからず困っていた。ネットなどで調べ、色々なつてを頼って日赤福井県支部にたどり着いた。3月26日、突然送られてきたメールに驚かされたが、その思いに応えたいと日赤福井県支部は救護活動を行なっている先に届けることとした。メッセージフラッグは、ツーソンに住む日本人や世界各国の人たちからの寄せ書きで、日本語をわからない人たちは辞書を見ながら、人に教えてもらいながら一生懸命に書いたとのこと。「なかには、意味不明もありますが、頑張っていました」と報告もあったが、一つひとつの言葉に心からの祈りと願いが込められていた。またTシャツは、日の丸に“Hope for Japan”と印刷
され、Y・EさんらはこのTシャツを作って募金活動などを行なった。被災地・被災者を思う心は世界共通。チーム福井からチームニッポン、チームワールドとなっているようだ。送られたメッセージフラッグは、4月6日に出発する第8班の車両で被災地に届けられる。
11:50
 82歳男性、肺炎のため点滴、酸素吸入を施し、大船渡病院へ後方搬送。
12:00
 第7班の8時から12時までの活動は下記のとおり。第一中学校避難所2階に隔離部屋のほかに子供だけの部屋を設けているが、風邪も流行っていることから、対応を検討している。
取扱者数  60人
主な症状  感冒14人、花粉症7人、慢性疾患(処方箋希望)23人、その他頻尿、腰痛、便秘、湿疹、糖尿病、高血圧、打撲など

13:20
 11ヶ月男児、ロタウィルスの疑いで大船渡病院へ後方搬送。
14:10
 1歳男児、ロタウィルスの疑いで大船渡病院へ後方搬送。
16:00
 第7班の12時から16時までの活動は下記のとおり。
取扱者数  50人
主な症状  感冒16人、花粉症2人、慢性疾患(処方箋希望)23人、外傷6人、その他高血圧、痒み、咽頭炎、足腫れ、結膜炎など

16:20
 58歳男性、尿閉のためカテーテルで導尿する処置がとったが、尿は出たものの念のため後方搬送。
16:30
 陸前高田市主催の医療従事者会議を第一中学校2階会議室で開く。40名強が出席。日赤福井県支部救護班第7班(第7班)からは田中看護部次長、連絡調整員、看護協力要員が出席した。
◎教職員を対象としたこころのケアを実施。うち2人の職員に精神系の薬を勧めた。
◎巡回診療先で、老夫婦だけが住む家庭があり、夫は脱水症状があって点滴を施し、妻は軽度の認知症。定期的に巡回訪問を続ける予定。
◎巡回診療先で、肺炎の男性がいた。既報の11時50分に、自宅から日赤救護所に搬送しその後大船渡病院に搬送した人。地域→救護所→後方病院と連携が図られたため、以後、有事の際には同様としていきたい。
◎リハビリチーム(作業療法士と理学療法士が1名ずつ)、明日から入るため、特に高齢者で希望の人に促してほしいとのこと。

19:00
 各日赤救護班と市の保健師(救護所コーディネーター)を含めた定例ミーティング。
◎高血圧、高脂血症が目立つ。慢性疾患の悪化が要因に挙げられる。
◎小児医学会から派遣の医師が21人の子供を診たが、ロタウィルス症状がみられる。脱水症を防ぐために水分の補給(イオン飲料等)や石鹸を使ってしっかりと手を洗うなどの予防が必要。
◎生後4ヶ月から16歳の子を診たが、2人はロタウィルスによる下痢・嘔吐があった。次亜塩素酸ナトリウムで殺菌・消毒した。2階の子供部屋のほかに乳幼児の部屋もあるが、乳幼児の部屋にこのロタウィルスの症状児がいたため、集団感染にならないか心配。
◎また、小児科医師は18時までのため、家屋の整理等で昼間に出掛けている母親が避難所に戻る時間にはもういないことから、20時頃まで居てもらえるよう要望。小児科医師がいない場合は、同医師がオンコール対応。
◎家屋の整理等で出掛けている人が、作業中に釘を踏んだとか外傷が目立ち、破傷風の血栓予防。
◎臨床心理士も入ってくれたことで、色んな対応が可能となった。

20:00
 第7班、二日目の診療終了。16時から20時までの救護所の活動は下記のとおり。
取扱者数  40人(一日の診療数合計150人)
主な症状  感冒20人、花粉症8人、慢性疾患(処方箋希望)6人、高血圧2人、その他胸やけ、頭痛など。
        
20:15
 第7班、日赤現対に向け第一中学校救護所を出発。日赤現対報告後、二日目の救護活動を終える予定。

4/5
7:40
 日赤福井県支部救護班第7班(第7班)、陸前高田市第一中学校避難所の日赤救護所で診療開始。
10:00
 日赤福井県支部は、救護班が活動を行なっている陸前高田市第一中学校避難所に3月30日、福井市内のパン屋さん有志の方々(パン同士会)から提供を受けたパンを届けたが、誕生日パンを受け取った子どもたちの笑顔の写真を見たり報告を聞いたパン同士会から、「今後も毎月、お誕生日のパンをお届けしたい」との申し出があった。  
13:00
 第7班、最終日の診療を終了。日赤青森県支部救護班(八戸赤十字病院)と引継ぎ。第7班の13時までの活動は下記のとおり。
取扱者数  46人
主な症状  花粉症・鼻炎12人、高血圧7人、感冒6人、外傷3人、喘息2人、処方箋希望7人、その他狭心症疑い1人(※1)、呼吸困難、足首痛、膝痛、肩痛、甲状腺治療、86歳女性が避難所で転倒し左半身打撲、うおのめ 
(※1)保健師が巡回した先で62歳女性から相談を受けたものので、救護所に行くよう勧め受診に来られた。薬処方。
◎7歳女の子、嘔吐が始まり、ロタウィルスの疑いで避難所2階の隔離部 屋に移す。日赤救護所に配置の小児科医がケアを続ける。
◎31歳男性、下痢・嘔吐により点滴を施す。

13:20   第7班、引継ぎを終え帰還に向かう。

4/6
2:20   
 第7班、市立敦賀病院に無事帰還。

13:00   
 日赤福井県支部救護班第8班、出発式を終え、支部事務局長、院長らに見送られ陸前高田市第一中学校避難所に向けて出発。要員には以前、福井赤十字病院に勤務し、能登半島地震災害では日赤福井県支部救護班として活躍された医師(現在大阪府在住)からの協力要請、元福井赤十字病院看護師で現在は福井県赤十字救護奉仕団員となっている方からの協力要請がそれぞれあり、さらには運転要員として同奉仕団員からの協力要請もあり、これら加わった要員となった。日赤福井県支部救護班が陸前高田市で行ってきた活動は、第8班で終了し、その後は日赤第1・第2ブロック支部救護班に引き継いでいくことになる。発災翌日から日赤岐阜県支部とともに、第一中学校避難所で日赤救護所を開設しながら交互に行ってきた日赤福井県支部は、これまで関わった救護班要員たちの思いを集結して最後の第8班は臨む。第8班要員には、医師・看護師等複数いることもあり、第一中学校避難所での救護所のほか、陸前高田市内の巡回診療やその他医療援護など幅広く活動し、一人でも多くの被災者のケアに努めたいとしている。
                     
◎日赤福井県支部救護班第8班
 班長(医師)藤井 秀則(福井赤十字病院外科部長)
 医 師   熱田  淳 (元福井赤十字病院医師)
 看護師長  田谷 美貴代(福井赤十字病院看護師長)
 看護師   畠中 美和(福井赤十字病院看護師)  
 看護師   水島 わかば(福井赤十字病院看護師)
 薬剤師   笠川 益夫(福井赤十字病院薬剤部医薬品情報係長)
 主 事   桃田 悦男(福井赤十字病院医療安全推進課長)
 主 事   櫻井 慎二(福井赤十字病院管財課施設・管理係長)
 協力要員  櫻谷 君代(元福井赤十字病院看護師・福井県赤十字救護奉仕団)
 運転要員  山下 俊英(福井県赤十字救護奉仕団)
 連絡調整員 山本 裕行(日本赤十字社福井県支部総務課長)

4/7
11:30   
 昨日、福井を出発した日赤福井県支部救護班第8班(第8班)は、陸前高田市に入る。

13:00   
 第8班、日赤青森県支部救護班と引き継ぎを行い、第一中学校避難所の日赤救護所で診療を開始する。
医師が2名いるため、16時までは1名が救護所に、1名が避難所内の往診等にあたる。16時から20
時までは2診で行なう。

14:00   
 米国・アリゾナ州ツーソンから送られた被災地へのメッセージフラッグと“Hope for Japan”のTシ
ャツが、第一中学校避難所(体育館)に飾られた。出入口のすぐ脇に飾られ、避難所の人たちはじっと目
をやりながら、「遠くから本当に有難い」と感激していた。また、大野市の方から「届けてほしい」と
託された千羽鶴も一緒に飾られた。

16:00   
 第8班の引継ぎから16時までの活動は下記のとおり。
 取扱者数  37人
 主な症状  感冒6人、高血圧6人、花粉症6人、糖尿病6人、外傷3人、その他腰痛、胃痛など

17:40   
 透析中の62歳男性、発熱で大船渡病院へ後方搬送。

18:17   
 89歳男性、肺炎の疑いで大船渡病院へ後方搬送。

19:00   
 定例ミーティング。日赤秋田県支部・岩手県支部両救護班、市保険所、気仙沼市薬剤師会、小児医学会、市保健師(コーディネーター)、第8班からは班長、看護師長、連絡調整員が出席。
 ◎日赤救護所の本日の18時までは133人の診療。高血圧、上気道炎、花粉症がかなりの量を占めている。
 ◎第一中学校避難所から往復直行での通院や後方病院の受け入れ先である盛岡赤十字病院は明日、呼吸器科が休診のため、盛岡友愛病院が担当するなどの連絡事項。

20:00   
 73歳男性、下痢・嘔吐により点滴を施す。この男性の点滴処置後など日赤岩手県支部に引継ぎ、第8班の初日の診療を終える。第8班の16時から20時までの活動は下記のとおり。
 取扱者数  38人
 主な症状  感冒12人、花粉症10人、湿疹2人、肩・腰痛2人、その他高血圧、慢性疾患(処方箋希望)など
 ◎第一中学校避難所では衣類の配給があり、多くの方が求めていた。
 ◎音楽室では子供たちのレクリェーションとして国際ボランティアの人たちが月曜 日〜土曜日の毎日 14時から16時まであたっている。

20:20   
 第8班、第一中学校出発し遠野市の日赤現対へ移動。

21:25   
 第8班、日赤現対に到着。報告後、第8班は初日の救護班活動を終了する。

23:32〜  
 宮城県沖で震度6強を観測する大きな地震があった。余震では最大規模津波警報も出され、津波の到着予想時刻も発表された。東北太平洋沖地震の余震としては最大規模。第8班が滞在する現地現対(遠野市健康福祉の里)にも1分以上の大きな揺れを感じた。同健康福祉の里の天井壁のかけらが落ち床に散乱、電気も寸断、停電となり、近くでは警報アナウンスで住民に「大きな地震が発生しました。警戒してください」と何度も呼び掛け一時期、外は騒然となった。情報収集に努める。なお第8班はケガ等もなく全員無事。

4/8
0:00   
 職員も支部に待機し情報収集にあたる。
0;55   
 津波警報がすべて解除され、第8班ら一様に安堵をうかべる。以後も情報収集にあたる。
6:10   
 第8班、隣街の陸前高田市・第一中学校避難所に向けて日赤現対を出発。日赤現対のある遠野市健康福祉の里周辺でもこの時間に、消防の警報アナウンスがJR等の交通情報(路線の一時見合わせ等)などを知らせていた。
7:05   
 第8班、第一中学校到着。日赤秋田県支部救護班と打ち合わせ。第8班は、8時から二班に分かれて、救護所と巡回診療を行なう。巡回診療は、第一中学校から約10キロ圏内の7ヵ所、30人から200
人規模の避難者がいる箇所を回る。
 なお、真夜中の地震による影響は、第一中学校の停電中であるものの建物に被害はなく、また避難者は荷物をまとめて一旦外に出た人もいたが、津波の高さが50?と聞き、「大丈夫だ」と声を掛け合いながら比較的落ち着いていた。ただ、避難所の50代の女性は「パニックになることはない」と時折り笑顔を見せながらも「(津波警報が出ると)思いだすねえ」と哀しい目をやる。怒涛の音をあげ長く鳴り響いた今回の余震に、背中を壁につけしがみついていた人もあった中で、避難所の人たち
は叫び声をあげることなく、大勢が静かに見守っているようだったとのこと。
8:00   
 第8班、陸前高田市内の巡回診療(医師・看護師・主事の計3名)、救護所(残りのスタッフ)の二つの班に分かれて二日目の活動を開始する。なお、余震の影響で停電中であり現在、救護所では生化学検査、電解質検査、血球計検査、CRP・インフルエンザ検査、A1c検査などできない状態。
8:25   
 第8班巡回診療班、日赤秋田県支部救護班とともに、巡回診療に出発。下矢作コミュニティセンターで10時20分まで診療。受診者数34人。院外処方12人、新患数2人。

10:30   
 下矢作6区で11時10分まで巡回診療。受診者数14人、院外処方4人、新患数5人。
11:15   
 下矢作7区で12時15分まで巡回診療。受診者数18人、院外処方9人、新患数5人。
12:00   
 第8班救護所班の午前中の活動は下記のとおり。
 取扱者数  46人(第8班救護所班分)
 主な症状  感冒12人、高血圧6人、花粉症5人、嘔吐4人、その他腹痛、排尿困難、下痢など
14:00   
 第8班巡回診療班、要員を交代して、引き続き日赤秋田県支部救護班とともに市内の巡回診療を始める。和野会館で15時10分まで行なう。受診者数13人、院外処方3人、新患数なし。

15:25   
 ひかみの園で15時50分まで巡回診療。受診者数9人、院外処方1人、新患数3人。
16:00   
 第8班救護所班の12時から16時までの活動は下記のとおり。
 取扱者数  41人 
 主な症状  感冒21人、高血圧9人、不眠症2人、花粉症2人、その他逆流性食道炎、創傷、ストレス症など

16:03   
 希望ヶ丘で16時50分まで巡回診療。受診者数8人、院外処方2人、新患数3人。
17:00   
 鳴石ヶ丘公民館で17時40分まで巡回診療。受診者数7人、院外処方2人、新患数なし。この後、巡回診療班は第一中学校に戻る。

17:50   
 停電解除、第一中学校避難所に電気の灯りが戻る。昨夜の最大規模の余震があったのが嘘のように避難所内には笑い声も響き、冗談も飛び交うほど。陸前高田市の隣街・一関市に住む福井県鯖江市出身の女性が、日赤の福井県がいることを知り訪ねてきた。「あっ福井だぁ、懐かしい」と喜び、要員とハグする場面も。彼女の家族は全員無事だったが、自宅は流され避難所生活を余儀なくされた。それでも、後ろ向きの言葉は一つも出てこない。「私の避難所も日赤が来てくれてほんと、有難かった。みんなで頑張っていく」と終始、感謝と鼓舞する言葉ばかりが目立つ。同じ故郷に言葉が弾んだ。被災状況を解説するかのように饒舌を輪にかけた。岩手県の歌人・石川啄木。「ふるさとの訛なつかし…人ごみの中にそを聴きにゆく」ならぬ、凄惨な津波の傷跡を残す中、まさに『そを聴きに』きて、自らそを吸い込んだ。最後に尋ねてみた。「どんな言葉をかけたらいいのか」と。彼女の口から間髪いれずに、さらに大きな声となって出た言葉…。「そりゃあ、みんなだよ!どんな言葉もうれしいさぁ」と。どんなにつらくても前を向いて生きていかないといけない。つらいのは、哀しいのは、皆同じ。自分一人だけじゃない。「元気に福井に帰っていくさぁ」と力強く語った。

19:00   
 定例ミーティング。
 ◎昨夜の地震のせいか、不眠症も何人かあった。
 ◎今日から岩手医科大学病院から半日、眼科の診療が開始された。
 ◎明日も第8班は、二つの班に分かれて活動する。
20:00   
 第8班、二日目の診療を終える。16時から20時までの救護所の活動は下記のとおり。取扱者数29人 主な症状 感冒7人、下痢4人、高血圧2人、その他花粉症、めまい、不眠症、創傷、腹痛など
20:30   
 第8班、第一中学校を出発して日赤現対に向かう。
21:20   
 日赤現対着。報告後、第8班は二日目

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